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ルッコラそば

ルッコラそば
*ルッコラはイタリア名。フランスではロケットとよばれます。ルッコラ(ロケット)には写真のように葉に丸みがあるものと、葉がギザギザに尖った細いタイプとがあります。このサラダに向くのは苦みが軽い丸葉のほうです。

炒った胡麻のような風味と苦みをもつルッコラは、蕎麦との相性がとてもよいものです。生わさびが手に入らないパリで、なにか替わりになるものをと、つけ蕎麦の薬味にルッコラを刻んで使ってみたのがそもそもこの組み合わせの良さに気付いたきっかけでした。帰国の度に必ず立ち寄る天ぷら屋さんで、こっそり分けてもらった天かす。それを冷凍してパリに持ち帰り、使う直前にオーブントースターで軽く温めて風味をよみがえらせ、ルッコラと一緒に蕎麦にからめて食べるのです。天ぷらは人に揚げてもらうものと決めている私ですが、パリに天ぷらの専門店はなく、寿司をはじめとする他の料理の片手間に揚げて上手くゆくような料理ではないから、どんな高級店に行っても天ぷらだけはけっして満足ゆくものにあたらないのです。そんな私にとって、東京の一流天ぷら店の天かすは、我が家の冷凍庫のお宝というわけです。

そしてつけ蕎麦の次にトライしたのが、ルッコラときんぴらの蕎麦サラダです。最初はわざわざ日本食店に行って高価なごぼうも買い求め、人参とごぼうのきんぴらにしていましたが、何度か重ねるうちに人参だけで作るのが定番になりました。人参独特の甘さがルッコラと蕎麦とのバランスをより良くまとめてくれるのですが、コツは歯ごたえをきちんと残して仕上げること。蕎麦より若干かため。人参が柔らかすぎると、美味しさは半減のまた半減といってよいでしょう。

そしてこのWA-fumiサラダに是非加えたいのがカモのマグレのスモークです。そしてスパイスは黒七味。全てそろえばパーフェクトですが、そうはいかない場合は薄切り牛肉を焼き、すき焼きのタレで仕上げたものを冷ましてから使うとか、お好みの牛の佃煮を使ってもよいでしょう。ソフトサラミを千切りにして使うのも一案です。黒七味がなかったら、七味と山椒を混ぜるというテに出るよりは、黒胡椒を粗挽きにするほうがよいでしょう。なお肉をいっさい使わずに、野菜だけで作るベジタリアンレシピもたいへん美味しいものです。

このレシピは私のお気に入りで、著書やNHK「きょうの料理」などで何度もご紹介したものです。今回はこれまでの作り方レシピには盛り込めなかったお話を添えてお届けします。
ルッコラそば


[前菜として軽く食べるなら4人分
ランチの一皿にするなら2人分]

ルッコラ80gr
A) ごま油小さじ1
ポン酢醤油小さじ2

蕎麦160gr(乾麺の場合)
B) ごま油小さじ2
ポン酢醤油大さじ1 1/3

人参正味150gr
C) ごま油小さじ2
薄口醤油小さじ2
味醂小さじ2

黒七味少々
レシピ
ルッコラは洗って、長いものは半分にちぎり、水切りし、ボールに入れてラップをかけ、冷蔵庫で冷やしておく。

人参は皮をむき、ごく太めのせん切りにする。フライパンにCののごま油を軽く熱し、人参を炒め、水大さじ1をふって蓋をかけ、ごく弱火で歯ごたえを残す程度に蒸し焼きする。時々フライパンをゆする。人参の質によって火にかける時間は異なるが、3分前後を目安とする。人参に程よく火が通ったら薄口醤油と味醂を加え、強火にしてあおり、水分を手早くとばし、バットなどに広げて冷ます。

蕎麦は堅めに茹でる。冷水でよくすすいでザルにあげ、水をきる。厚めの布巾を広げ、その上に蕎麦を広げてさらに水分をきる。
ただし、完璧に水分をきりすぎると、味付け調味料が蕎麦全体にまざりにくくなる。

大きめのボールによく冷やしたルッコラを入れ、Aを加えて手早く混ぜ、別のボールにいったん移す。
*蕎麦とルッコラを同時に味付けすると、蕎麦に味がからまる頃にはルッコラがしんなりしてしまうため、ひと手間かけて別々に。

空いた4のボールに蕎麦と人参、Bを加えて混ぜる。ルッコラ少々だけ残し、残り全てをボールに入れて手早く混ぜ、器に盛りつける。残しておいたルッコラを仕上げに盛りつけ、
黒七味少々をふる。

マグレのスモーク
マグレのスモーク
フォワグラをとるために育てたカモの胸肉はマグレとよばれ、大きく厚みがある。写真はそれをスモークしてスライスし、真空パックして売られているもの。塩気がきつすぎたり、堅く乾燥しているものを避け、写真のように柔らかく仕上がったものをさがしたい。
黒七味
黒七味
2001年のWA-fumi展で、フランスに初めて紹介された京都「原了郭」の黒七味。量産不可能なため、海外はむろんのこと、東京でもなかなか手に入らない貴重品。和風スパイスといえば七味、一味、山椒くらいしかなかったところに誕生した、オリジナリティー溢れる製品だ。