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ムール貝の旬は夏。したがって真冬のこの時期にレシピを紹介するのもどんなものかと、実はためらいもあったのです。でも私にとって今回ご紹介するムール貝とジャガイモのクリーム仕立てスープと、できたての熱々をフゥフゥいいながら食べるニンニクパセリバター焼きに関しては、やはり冬の寒い季節にこそ食べたくなるレシピです。夏場に比べると身が小さくなってはいますけれど、それでもオレンジ色鮮やかなプックリとした養殖ムール貝の美味しさは真冬でも充分に味わえるものです。野生のムール貝は殻の大きさに対して身が小さく味も劣り、また養殖ムールも輸入ものになると品質が劣り、最も美味しいとされているのはノルマンディーに近い北部ブルターニュの海で養殖されたもの。海中に立てた木の杭に小指の先ほどの稚貝をかませた椰子の繊維を巻き付け、ヨード分豊かな北のきれいな海で養殖された小粒のムール貝bouchot。加熱するとにじみ出てくる汁の品の良い風味はバターとの相性ぴったりです。夏ならばカレー風味のソースにして、あるいはオレンジやマンゴーといったフルーツを生かしたレシピで味わいます。
写真はムール貝のパセリバター焼き。厚手の鋳物浅鍋にたっぷりの無塩バターとニンニクの微塵切りを入れて弱火にかけ、バターが泡立ち始めたら木製のヘラなどでかきまわしながらニンニクに火を入れ、色がつき始める直前にムール貝を入れてひとかき回し。そこにイタリアンパセリの粗みじん切りを加えて蓋をかけ、殻が開くまで加熱します。田舎パンのスライスに熱々の貝の身をのせ、鍋底のニンニクパセリバターをパンにしみ込ませていただきます。離れた食卓に運んで味わうより、食前酒の白ワインを飲みながらできたてをキッチンでつまむのが一番美味しい瞬間です。

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ムール貝は丁寧に洗い、くわえているヒモを取り除き、殻の表面についている小さな貝殻などの付着物は調理用ナイフなどでこそぎ取る。身は殻から外して使うとしても、ソースの風味に影響するので殻の洗いは丁寧にする。
玉葱はごく粗く刻み、セロリとウイキョウは8ミリほどの角切りにする。ジャガイモは皮をむいて1センチ角に切り、水洗いしてザルにあげる。
ソースパンにバターを熱して玉葱、セロリ、ウイキョウを炒め、次いでジャガイモを加えて軽く炒めたら水を注ぎ、煮立ったらあくを取り除いて火を弱め(塩は加えない)ジャガイモに火が通るまで数分間煮込む。
別鍋にバターとニンニクのみじん切りを入れて火にかける。そこにムール貝を加えて強火にしてさっとかき回し、鍋が十分熱くなったところにヴェルモット(*注1)を注ぎ入れ、強火のまま煮立ててアルコール分を充分に飛ばす。アルコールくささが抜けたところで水50ccを足し、中火にして蓋をかけ、殻が開くまで蒸す。
殻が開いたら時間をおかずに直ちにザルにあげ、手で扱える程度に温度が下がったたら身を殻からはずす。盛りつけの飾り用に、殻付きのままのものを8個だけ別にしておく。
ムール貝の蒸し汁を鍋に戻し、先に煮ておいた野菜を煮汁ごと加える。ついでムールの身も加えて温め、フレッシュクリームを加えて仕上げる。
*注1 辛口フレンチヴェルモットNOILLY PRAT を使用。白ワインでムール貝を蒸すより酸味が立たず、コクと甘みが加わるところが魅力。この酒は南仏モンペリエの南西に位置する MARSEILLAN で1813年創業以来造り続けられているホワイトヴェルモットで、ノワイ・プラと読み、これは商標。樫の木の樽に入れられた白ワインを海際の戸外に置き、海風と太陽の下で長期間熟成させたもの。
充分冷やしてレモンの皮を浮かべて食前酒に。またウォッカをたらしてグリーンオリーブを加えたカクテルなどに。

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このスープに生鱈や帆立貝のバターソテーを加えてメインディッシュとしてサービスするのもおすすめ。日本で鱈というと水っぽいイメージが強いが、フランスの鱈 cabillaud (キャビヨゥ)は、バターで焼くと甲殻類の香りが漂い味わい深い魚だ。
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