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No.6 ブリオンヴェガのラジオ

ブリオンヴェガのラジオ
左のスピーカー部分中心の小さなつまみがスイッチ。右側部分の上の半円はメモリーダイヤル、下の半円は周波数によって合わせるダイヤル。

ブリオンヴェガのラジオ
ヒンジで開く構造で、閉じれば長方形の箱になる。左側キューブのシルバー部分を上にスライドさせると持ち運び用のハンドルが現れる。


BRIONVEGA
2002年8月から日本仕様の製品が発売されている。
ヤマギワ \36,750(税込み)
パリではコンランショップはじめ、生活雑貨のセレクトショップにて280ユーロ前後で販売。


ブリオンヴェガのラジオ ブリオンヴェガのラジオとジントニック
イタリアのブリオンヴェガ社のためにマルコ・ザヌーソとリチャード・サパーがデザインし、1965年に発売されたラジオ。近年、同時代のテレビと共に復刻版が発売され、再び人気をよんでいる。
モノラルスピーカーから流れる音はキッチンで料理をしながら聴くのに心地よい。単2乾電池6本でも使用できる。色はブラックの他にホワイト、オレンジの3色展開。
キッチン用のラジオをさがしていた私がひと目で気に入ったのがこれです。イタリアンプロダクトデザインの黄金期といわれる1960年代にポータブルテレビDoney-ドネイ-を発表して世界中にその名が広まったブリオンヴェガ社が、二人のデザイナーのコラボレーションプロジェクトとして1965年に生み出した名品の復刻版です。当時の写真と比べてみると、機能の変化にともなってインジケーター部分のデザインは変化しているものの、キューブ2つをヒンジでつなぐという基本的構造はもちろんのこと、角の丸みも当時のままを忠実に再現。これがタダのキューブだったら味気ないものでしょうけれど、四角が四角であり続けるぎりぎりに与えたこの丸みこそが、このラジオに惚れ惚れとさせられる理由のひとつです。なんとなく指先で、手の平で触ってみたくなる愛おしい丸み。メモリーダイヤルと周波数ダイヤルのデザインも大小の半円。触り心地よいつまみもプチッと愛らしい丸。角と丸の美しいデザインです。本体表面のサラッとした触り心地も好きです。そうです、こんな風に触りたくなるラジオって、他にあるでしょうか?

スイッチを入れると赤い光が二つ灯り、それがインジケーターの二つの半円上を弧を描くように移動し、私が一番よく聴くチャンネル、ラジオノスタルジーでピタリと止まります。エルヴィス、60年代のアメリカンポップス、ビートルズ、そしてR&B。受験勉強の合間に聴いたオールナイトニッポンを思い出します。そしてラジオノスタルジー面目躍如といった感じで "ヌ・ム・キテ・パ" 、学生パーティーのフィナーレ定番ナンバーだった "青い影" 。70年代のパリのクラブで盛り上がりナンバーだったドナ・サマーやスティーヴィー・ワンダーも。このチャンネルを今支配しているのは68年世代に違いありません。さて、このラジオときたら、聴き終わる時にも私の胸をときめかせてくれるニクイやつです。じゃ、またね・・・。プチッと音をさせてスイッチを切ると、一回消えかけたインジケーター上のライトがまるで名残惜しいかのようにフゥッと息を吹きかえすようにもう一度光ってから、静かにホワッと消えてゆくのです。立ち去りかけてから振り向いてもう一度接吻してくれるように。ブリオンヴェガでラジオノスタルジー。ピッタリなドリンクは、ジントニック。


*私が購入したパリのショップに確認に行ってみたところ、ボディーがマットではなく、エナメル仕上げになっていました。